医学生のブログ

私の受験の経験をもとに記事を書いていきます。少しでも役に立てれば嬉しいです。

サラリーマン家庭から私立医学部に通うためには!?資金調達・工面の方法 おすすめ奨学金まとめ

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私は現在、私立医学部に通っています。

ですが親が開業医でないですし、そこまで裕福でありません。

父の年収は500万円ほどです。

 

では学費はどうしているのかというと、奨学金の支援を受けています。

この記事では奨学金について紹介して、資金調達ができず医学部進学を諦めかけている人の選択肢を少しでも広げられたらいいなと思います。

 

 

 

 私立医学部の学費はどれくらい?

 まず、ご存じかもしれませんが私立医学部には学費はどれくらいかかるのでしょうか?

なんと約2000万~5000万位になります。

意外と大学によって差が大きいですよね。

一番安い大学で国際医療福祉大学で約1900万、一番高い大学で川崎医科大学で約4700万円という感じです。

奨学金で通うならば3500万円ぐらいの学費の大学までを目安に検討するのがいいと思います。

 

奨学金の種類 

 奨学金は主に貸与、給付の2種類になります。

それぞれメリット、デメリットがあるのでそれらを考慮に入れながら決めたいですね。

①貸与

メリット:審査が緩め、卒後のキャリア形成への影響が少ない

デメリット:返済が大変

 

②給付

メリット:返済の必要がない

デメリット:将来の勤務先を制限される場合がある、病院や自治体のもの以外は審査が厳しい

 

 

 

日本学生支援機構奨学金

 こちらの奨学金は一番有名でほとんどの高校で募集のお知らせがあったかと思います。

第一に検討したい奨学金ですね。

予約採用と在学採用とありますが、予約採用は出身の高校を通じて在学採用は入学した大学を通じて行います。

在学採用の場合、審査の時間があり、すぐに貸与がスタートしないので注意が必要です。

個人での申し込みはできないので浪人生が予約採用を申請する場合は出身高校に問い合わせる必要があります。

 

さてさて日本学生支援機構奨学金には貸与型第一種・第二種、給付型とあります。

それぞれ採用基準、金額が違うので確認しておきましょう。 

第一種は自宅通学で満額5.4万円/月で6年で388.8万円、自宅外通学で満額6.4万円で6年で460.8万円となります。

第二種は満額16万円/月で、6年で1152万円となります。

給付は家庭の収入状況によって変わります。

 

特に第一種は高校の評定平均3.5以上とあるので検討する人は学校の成績の管理もきちんとしましょう。

 

家庭環境によって変わりますので公式サイトでシュミレーターを使い、一度シュミレーションをしておくことを勧めます。

公式サイトのシュミレーターのリンクを貼っておきます。

進学資金シミュレーター - JASSO

 

各大学の地域枠入試

地域枠入試って聞いたことありませんか?

都道府県で地域医療を担う医師の獲得を目的としたものです。

地域枠入試で合格した学生は将来医師として指定された場所で勤務する代わりに給付奨学金の支援を受けられます。

義務年間はほとんどの場合9年間になります。

募集人員の多い静岡県の地域枠を例にあげると20万円/月ぐらいもらえます。

6年で1440万円。

かなり学費の負担が少なくなります。

義務年間の間に初期研修や専攻医研修も含まれているのでキャリア形成に関してある程度の融通はききます。

学生の間も同じ奨学生対象のイベントなどがあったりするところもあるようなので何かいい発見があるかも。

ただ出身地などによる制限があるところもあるので注意してください。

卒後の縛りがある奨学金との併用は不可です。

 

余談ですが入試のボーダーが一般より少し下がる傾向があるので狙い目であると思います。

 

都道府県、市町村の奨学金

内容は地域枠入試で借りる奨学金と同じです。

ですが大学を通してではなく、個人で申し込むことになります。

書類審査や面接試験を課されるので少し難易度は上がるかも。

志望大学に受けたい都道府県の地域枠がないこともあるので、その点はこちらの方がいいかもしれません。

縁もゆかりもない土地より地元や出身大学のある県の方がいいですよね。

実際地元の奨学金が受かりやすいとかなんとか。。

ただ自分が受けたい都道府県に奨学金が設定されているか確認はきちんとしておいてください。

卒後の縛りがある奨学金との併用は不可です。

 

病院奨学金

大学を通してではなく、個人で申し込む形になります。

内容は地域枠や都道府県のものと同じで将来借りた病院に勤務する代わりに奨学金の給付を受けられるというものです。

義務年間は6年になります。

地域枠や都道府県の奨学金よりも少し額は高めに設定されています。

私が借りているものは23.5万円/月。

6年で1692万円。

中には月30万というのもありました。

ですが将来の勤務先はその病院のみなので選択肢は地域枠や都道府県のものより狭くなります。

また初期研修や専攻医研修は自由なところでできますが、義務年間には含まれません。

できれば借りている病院でできるのが1番ですよね。

慎重に選んでもらいたいと思います。

選ぶ時に見ておいて欲しいポイントは初期研修のプログラムです。

どのようなことを重視しているのか。

症例数は?手技は?指導体制は?救急の充実度は?など。

特に実際に研修を受けた人のレビューは参考になります。

体力に自信がない人は当直の回数も見ておくと良いと思います。

民間医局パズナビというサイトで調べることができるので見てみてください。

リンク貼っておきます。

民間医局レジナビ|医学生・研修医のための臨床研修情報サイト

卒後の縛りがある奨学金との併用は不可です。

 

↓申請予定の人は是非併せて読んでください

ikaikatan.hatenablog.com

 

 

徳洲会グループの奨学金

徳洲会グループとは日本全国規模の民間医療団体です。

「生命だけは平等だ」の精神のもと「いつでも、どこでも誰でもが最善の医療を受けられる社会」を目標に掲げられています。

僻地や離島医療、そして高度先進医療にも力を入れています。

将来徳洲会グループの病院に勤務することを条件に奨学金の給付が行われています。

義務年間は8.5年です。

そのうち2.5年は徳洲会グループが指定した病院に勤務することとなります。

金額は15万円/月です。

6年だと1080万円。

地域枠や都道府県、病院の奨学金よりも額は少し低めです。

私立医学部の中でも学費が安めの大学の人におすすめします。

全国規模の組織のため、全国どこでも大体就職が可能になり、選択肢は広いです。

徳洲会グループと志が合致する人はぜひ検討してみてください。

卒後の縛りがある奨学金との併用は不可です。

 

民医連の奨学金

正式名称は全日本民主医療機関連合会です。

将来民医連の事務所で医師として勤務する代わりに奨学金の給付を受けられるという仕組みです。

義務年間は9年間となります。

金額は20万円/月です。

6年間で1440万円となります。

都道府県にあるので出身地の地域枠や奨学金がない人は検討してみるといいのでは。

ただネットでの評判はあまり良くありませんね。

確かなソースがないので実際はわからないですが日のないところに煙はたたないと言いますしね。

共産党との関係が深いとかなんとか。

他の奨学金でもよければそちらを選択した方がいいのではと私は思います。

どちらにせよ受ける場合はきちんと調べる必要があると思います。

卒後の縛りがある奨学金との併用は不可です。

 

教育ローン

教育ローンは奨学金とは少し異なります。

奨学金は借り手が本人ですが、教育ローンは借り手が親になります。

一括振り込みであるため、返済が借り入れの翌月からスタートし、少なからず家庭への負担はかかります。

奨学金よりも優先度が低めでいいと思います。

メリットとしては入学前から手続きが可能でまとまったお金が用意できます。

入学金や前期の授業料納入の用意ができない家庭はあらかじめ受験の夏ぐらいから申請しておくことをお勧めします。

 

教育ローンには2種類あります。

それは国のローンと民間のローンとなります。

 

国のローンの上限金額は350万円です。

金利は1.71%と後述の民間のローンよりも低く設定されています。

在学中は利子のみの返済も可能なので家庭への負担を少なくできます。

ただ審査は厳しめのようです。

 

民間のローンは金融機関によって様々ですが、上限1000〜3000万円ほどでかなりの額借り入れることができます。

ですが国のローンより金利は高く設定されております。

審査は国のローンよりも易しめで早いのですぐに借り入れしたい人の助けにもなると思います。

教育ローンですので少なくとも在学中は両親に支払い義務が発生するということは忘れないように。

 

ローンの審査を受ける順番は国→民間と言うのがいいと思います。

日本学生支援機構奨学金との併用が可能です。

ということで日本学生支援機構奨学金をまず検討することをお勧めします。

 

学費のかからない特殊な大学

私立大学には学費のほとんどかからない医学部もあります。

自治医科大学

都道府県から2〜3名を選抜し将来地元で勤務する医師を養成しています。

学費はなんと0円です。

しかし卒後は地域枠や都道府県の奨学金と同様9年間の義務年間があります。

 

自治医科大学に合格した場合、国公立の前期の試験日に県庁での手続きがあるので実質併願不可能ですので注意が必要です。

 

産業医科大学

産業医の育成を目的とした大学です。

学費は約1100万円。

前より少し学費が上がりましたが、日本学生支援機構の第二種のみで賄える額となります。

この額で通うには9年間産業医として勤務する必要があります。

私立医学部にしては特殊で共通テスト任されるので国公立志望の人にはおすすめです。

 

防衛医科大学校

自衛隊医官の育成を目的とした学校です。

大学ではなく防衛省管轄の大学校ですが学ぶ内容は他の大学との差異はほとんどないです。

学費は0円で、逆に公務員として給料が出ます∑(゚Д゚)

ただ医学の勉強以外に自衛隊としての訓練もあるので普通の大学生みたいにとはいかないかと。

しかしここでしか学べないことがあるのも確かですので是非積極的に検討をしてみては。

義務年間は9年で自衛隊病院や部隊での勤務が課されます。 

入試が10月と早いので対策は計画的に行いましょう。

 

特殊な大学でイメージが湧かないという人はこちらの漫画を参考にしてみてください。

学生生活がリアルに描かれています。

賢者の学び舎 防衛医科大学校物語 (1) (ビッグコミックス)
 

 

東北医科薬科大学

東日本大震災以降医師不足が顕著になった東北地方で地域医療に貢献する医師を育成することが目的で設立されました。

入試方式にA枠、B枠、一般枠とあり、A枠、B枠には奨学金が支給され学費が国公立並みになります。

55名奨学金枠があり、全100名の学生の半分以上は奨学金の給付を受けられるようになっています。

A枠は宮城県30名、それ以外の東北の都道府県各5名となっています。

大学から1500万円、都道府県から1500万円、計3000万円給付されます。

義務年間は初期研修含まず宮城県で10年、その他の県で8〜10年となります。

 

B枠は宮城県以外の都道府県で20名となります。

大学から1500万円、各都道府県から1100万円〜計2700万円〜給付されます。

都道府県によって給付額は異なり、都道府県によってはA枠より多く給付されるところもあります。

義務年間は初期研修含まず6年間となります。

 

まだ設立したばかりの大学で卒業生が出ていないので不安が多いかもしれませんが、地域枠入試とほとんど同じです。

東北の地域医療に興味がある人はぜひ。

 

最後に

奨学金をうまく併用すればサラリーマン家庭から私立医学部に通うことは可能です。

家庭環境を理由に医学部進学を諦める前に一度検討してみてください。

 

給付奨学金を借りる場合、卒後の進路に影響してきますのできちんと吟味した上で決めましょう。

どういうキャリアを積んでいきたいか大まかにでもイメージしておくといいと思います。